仏壇の処分と買取、処分費用の相場、引き取りや捨て方(廃棄)、回収やリユースの方法も解説/口コミ・評判あり
仏壇の買い替えや供養する人がいなくなった場合、古い仏壇は処分することになります。仏壇は、宗教的な問題もありますので、普通のごみのように処分するのが難しいです。
仏壇の正しい処分方法は、①お寺にお願いする②仏具店にお願いする③自治体の粗大ゴミとして処分する④リユース業者やリサイクルショップに売却する、の4つがあります。
そもそも仏壇は捨ててもいいのか、といったことも含めて、それぞれの処分方法などを確認していきましょう。
そもそも…仏壇って捨てても大丈夫?
仏壇は、損傷が酷くなった場合や、引っ越しなどでコンパクトなものにしたいと考えたときに、新しい仏壇に買い替え、古い仏壇を処分することがあります。
また、最近は少子化も進んでいますから、継承・管理する人がいなくなり処分するしかなくなってしまうこともあるようです。
日常生活では、あまり意識することのない仏壇ですが、仏壇には先祖の魂が宿っていたり、家族の思い入れがあったりするものなので、普通のごみのようには扱えません。
処分することは可能ですが、その前には、やっておきたい供養もあるのです。確認しておきましょう。
処分・回収前にやっておきたいこと
処分・回収前にすべきことは以下の2つがあります。
「閉眼供養」あるいは「遷座法要」を行う
仏壇を処分・回収する前には閉眼供養と呼ばれる供養が必要です。この供養には、仏壇から魂を抜く意味があります。
仏壇には、故人の魂が宿っているとされています。そのため、仏壇をそのまま処分すると、故人の魂を捨ててしまうことになってしまうのです。
閉眼供養(へいげんくよう)をすれば、仏壇から故人の魂を抜くことができます。儀式によって、仏壇に宿っていた魂を天へと還すことになるので、この儀式のあと、仏壇は「単なる箱」になります。
ただし、ここで注意しておきたいのが、浄土真宗には仏壇やお墓に魂が宿るという教えはないということです。代々信仰してきた宗派が浄土真宗ならば、「閉眼供養」はしません。
その代わりに、浄土真宗では、処分する仏壇に感謝の気持ちを捧げる遷座法要(せんざほうよう)と呼ばれる儀式が行われます。ですので、浄土真宗の仏壇を処分したいならば、遷座法要をしてもらうようにしましょう。
引き出しを確認しておく
仏壇には、いくつも引き出しがついています。そこに、位牌や故人の形見、現金・通帳などを入れていることがよくあります。それらを引き出しにしまったまま、うっかり処分に出してしまう恐れがあります。処分・回収の前には、しっかりと引き出しの中身を確認しておいてください。
また、古い仏壇には「隠し引き出し」と呼ばれるものが存在していることがあります。彫り物や飾りに隠れるようにして、引き出しが作られていることがあるのです。
飾りや彫り物を触ってみて、動かせるようであれば、そこが引き出しになっている可能性が高いです。これまで知らなかった引き出しがないかも確認しておきましょう。
仏壇の処分方法4つ
仏壇の処分方法は4つあります。自治体やお寺や業者などによって詳細が異なるので、処分する前に確認をかかさないようにしましょう。
お寺にお願いする方法
きちんと供養して仏壇を処分したいならば、お寺に引き取ってもらいましょう。もしも、先祖代々お世話になっている「菩提寺」があるならば、閉眼供養もあわせてお願いしてみてください。
菩提寺がわからない場合は、近隣のお寺に引き取ってもらうこともできます。ただし、宗派の違うお寺では供養できない可能性もあるので、お寺の宗派は調べておくようにしましょう。また、お寺によっては檀家でなくてはならないと言われることもあるので、断られたら、いくつかのお寺に問い合わせてみてください。
お寺にお願いするときは、お布施として処分費用を払うのが一般的です。ただし、このお布施の金額は明確に定められていないので、処分のためにいくら払えばいいのかわからないという悩みを抱えがちです。
事前に、さりげなくお寺に尋ねてみたり、檀家の人にどの程度払っているのかを相談したりするといいでしょう。
仏具店にお願いする
代々信仰してきた宗派がわからなかったり、お願いできるお寺がなかったりした場合は、仏具店にお願いするのがおすすめです。
仏具店というと、仏具や仏壇を販売しているイメージが強いですが、古い仏具や仏壇の引き取りサービスも行っています。仏具店は、お寺とのつながりもあるので、引き取ったあとにゆかりのあるお寺に依頼して、適切に処分してもらえます。
引取りの際には、プロのスタッフが梱包して運び出してくれるので、手間もかかりません。
ただし、仏具店によっては新品の仏壇を購入した場合のみ引取可能としている場合もあります。ホームページなどで引取可否や費用が公開されているので確認するようにしてください。
自治体の粗大ゴミとして処分する
「閉眼供養」あるいは「遷座法要」を終えた仏壇は、単なる「木の箱」になっています。ですから、故人の魂などに気兼ねする必要もありません。
そのため、大きな家具を捨てるときのように、粗大ごみとして処分しても宗教上は問題ありません。
例えば神奈川県横浜市の場合だと、特に解体等は行わず1,000円で回収してもらえるようですが、自治体によっては、大きい仏壇ならば決められた大きさに解体するように指示されたり、仏壇は粗大ごみとして出せないと決められていたりすることもあります。
しかし、いくら供養を終えていて、宗教上問題ないとはいっても代々の仏壇をごみとして扱うのは、抵抗がある方も少なくないでしょう。のちのち悔やむことにならないよう、そういった方は、他の方法を利用することを検討してみましょう。
リユース業者やリサイクルショップで売却する
リユースできる仏壇は、売却処分を検討することができます。業者によって買取の基準が異なりますので、サイズを調べた上で、売却できるかどうか問い合わせてみましょう。また売却する前に「閉眼供養」あるいは「遷座法要」を終えておくと、次の利用者も安心して利用することができます。
仏壇の大きさや種類で処分方法はかわる?
仏壇の大きさや種類で処分方法がかわることはありません。ただし、仏壇が大きく複雑な作りの場合は、その分、お寺で処分してもらう場合はお布施が高額になったり、引き取りの代金が通常よりも高くなったりすることもあるようです。
特に、粗大ごみとして回収してもらうなら、決められた大きさに解体してから捨てなくてはなりません。しかし、複雑なつくりの仏壇は、個人ではバラバラにできないので、プロの大工に依頼しないとならないこともあります。
仏壇の大小や種類にかかわらず、紹介した方法で処分できますが、大きい場合は費用が高くなることは知っておきましょう。
おわりに:仏壇はきちんと供養して処分しよう
仏壇は、買い替えや継承者の不在などによって処分の必要が出てきます。仏壇は、「閉眼供養」あるいは「遷座法要」を行うことで、故人の魂が抜けて、ただの箱になります。
これらの供養を行ったのちは、①お寺にお願いする②仏具店にお願いする③自治体の粗大ゴミとして処分する④リユース業者やリサイクルショップに売却、という方法で、処分・回収ができます。
仏壇は故人の魂や思い出がつまったものですから、のちのちの後悔がないようにきちんと処分していきましょう。